未だ修行中

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日々の出来事、覚え書き

 落語というよりは、講釈ネタといった方が良い様な噺、正直者の貧乏長屋の浪人親子が中心の噺であるから『井戸の茶碗』に雰囲気が似ている。しかし、クスグリが後半に多少あるだけで、そこまで淡々と語って行かなくてはならなくて、聞き手を引きつけておくのに技量のいる噺だ。読み物としては面白いから、やはり講談向きの噺なんだろうな。
 この噺は武士道がどの様なものだったかが解らないと納得がいかない噺になってしまう。士農工商の一番上に立つ武士は、その誇り故に見栄も張らざるを得なかった。家名を守る為にはその家族までが見栄をはらなければならない。そりゃァそうさね、家名というのは先祖代々一族の事なンだもの。だから娘だって親の為に身も売るさ。
 事の発端は、囲碁の最中の50両の紛失から格之進が疑われる。主人源兵衛は信じているので気にも留めないのだが、番頭の徳兵衛が忠信と嫉妬から格之進に真偽を問い質す。この時の番頭が、主人の命に背いてまでも真偽を確かめに行く嫉妬の強さが現れてい たかな?
 疑いをかけられ、お上の取調べを受けるかも知れない。例え無実でも取調べを受けたというだけで、武士の誇りが傷ついてしまう。それは浪人していても、仕えていた先の主君にも恥をかかせる事。ならば此処で腹を切って潔白を示そうと決心するのだが、その気持ちが出ていただろうか?
番頭が帰った後に、娘が父の決心を知り吉原に身を売ると言う。此処も、親子の縁を切らなければ家名に傷がついてしまう。今時ねぇ、そんな考えなンて理解出来ないですよ。
 身を売った金を番頭に渡し、何処へか去った格之進。そして半年が過ぎ、紛失したと思った50両が出て来た。慌てて格之進の行方を探す。此処からは落語らしい処。演っていて楽しいですね。
年改まって湯島の切通しで、格之進と番頭の出会い。なんと格之進は帰参が叶い江戸留守居役に出世していた。そして翌日、主人、番頭の首を貰いに行くと言って別れた。
 翌日、番頭に用を言いつけ主人一人が討たれようとする。そこへ番頭が出て来て主人を庇う。此処での主従の情が格之進の決心を鈍らせるのだけれども、此処もその感情が出せただろうか?
そして50両の出処を知った源兵衛が、娘を身受けする。出世した格之進が何故身受けしなかったか、それも家名の為、武士の誇りの為ですね。そして主従を討たなかったのに、何故娘は怒らない。現代だったらグレちゃいますよね。
 古今亭では、この娘と番頭が所帯を持って、産まれて来た男の子を格之進の養子にして、目出度し目出度しなンですが、他の流派では、帰参の支度金で身受けをしたが、時既に遅く身体を壊してしまっていたとしている方もいます。でも、それなら尚更二人を斬っちゃうでしょうね。柳田の堪忍袋にならなくなっちゃう。
 疑問の多い噺なので、自分で理解してないと、聞き手まで迷ってしまうかも知れない。だから納得して演りたかったし演ったつもりです。?が付いてるのは出来ていたかどうかの反省で、次回は此処を気をつけたいと思っています。好い稽古が出来ました。

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# by shu-desu | 2015-07-07 07:46 | 日記

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