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未だ修行中

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日々の出来事、覚え書き

「東北沢稽古会」一席目『神田松五郎』

 昨日6日は、第11回東北沢稽古会でした。土砂降りの雨の中、お客様は11名。悪天候にも関わらず『つ』離れしまして、とても嬉しく思っております。お出かけ下さいました皆様、ありがとうございました。
 一席目は『神田松五郎』という噺です。これは三十年程前、師円菊と仲の良かった篠田実師から紹介され、義父の浪花家辰造師の後見をさせて戴く事になり、日本各地で行われる浪曲大会に同行させて戴いておりました。その時に、これはイイナと思った出し物を、落語で演ってみたいと思い辰造師に相談致しました。その時に、当時浪曲協会長だった先代東家浦太郎師が演っていたものを、私が台本に書き残しました。ですが演じる事は無く、ずっと机の中に仕舞われていました。
 何故出来なかったと言うと、神田松五郎という人物を知らなかったからです。いつの時代に何をした人物なのか解りませんでしたので、人物設定が出来なかったのです。それでも演れば演れるンですけどね。
 先日黒門亭へ出た時に、二三蔵兄さんと会いました。ネットで検索して、二三蔵兄さんが、この噺をするのを解ってましたので、誰に習ったか、この人物はどういう人物なのか聞いてみました。そうしたら、実は二三蔵兄さんも詳しい事は知らないのだそうです。
 二三蔵兄さんは浪曲が好きで、色々とCD等を聞いている内に、広沢菊春師の神田松五郎を気に入り落語にしようとしたそうです。講談の一龍斎貞友さんに勧めたのも二三蔵兄さんなのだそうです。
 聞いてみると、私のとは時代背景や何か少し違っています。二三蔵兄さんの場合は、大岡越前に才覚を買われ出世するという人物ですが、私の方は将軍慶喜の脈を取るまで出世する人物です。どちらが本当なのか、又、実在の人物なのかフィクションなのか、良く解りません。まだまだ調べなくてはならないと思っています。
 元は浪曲ですので、オチはありません。ですがオチを付けてみました。二つ考えましたので、持参金の様に両方演ってみました。そこでサッと切れば良いのにグズグズしてましたンで、後に将軍慶喜の脈を取るまで出世する神田松五郎の幼年時代の一席でした、と余計な事まで言ってしまいました。
 筋は大した事ない噺ですが、随分と放ったらかしにしていた噺なので、会話が思うように出て来ませんでした。話す事が精一杯で、人物描写、感情の入れ方に不満が残ります。ですが此処で稽古出来て良かったと思います。もう一度此処で演らせて戴いたら、他の高座でかけてみたいと思っています。


by shu-desu | 2014-06-08 08:13 | 日記

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